2010/06/28

この世は二人組ではできあがらない

 人はひとりで完全だ。だからベターハーフなんて探していない。価値はひとりの人間に十分にある。
「自分の存在のために誰かが必要」という考えでは生き続けられないだろう。アンドロギュヌスが半分に割れて、現在の人間が生まれたなんて、嘘だ。
 人と人とは、関係がない。誰も、誰かから必要とされていない。必要性がないのに、その人がそこにいるだけで嬉しくなってしまうのが、愛なのではないか。
 遠くにいるときは心穏やかに「頑張れ」と思うもの。特に理由もなく「相手のために何かできないかしら」と考えてしまうものだ。

この世は二人組ではできあがらないこの世は二人組ではできあがらない
(2010/02/24)
山崎 ナオコーラ

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1978年生まれの話。
ロストジェネレーションと命名された世代。
教育の中で男女の区別をされたことがないし、勉強さえすれば自分で将来を選べると教えられた世代。
就職難を味わい、多くの人が学生生活の後、組織に組み込まれない大人になった世代。
フリーターでも暮らせるような、甘い時代に生まれた世代、だということで、
S様を思い出しながら読んだ。だからかおもしろかった。
一人でも完全であるというようなところを引用したけれど、
結論じゃなくて、ほかにあるのです。

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