わたしはあんまり……
Nのために (2010/01/27) 湊 かなえ 商品詳細を見る |
母親から受けた好意はやはり愛などではなく、本当の愛は手を加えて昇華などさせなくても、誰が見ても愛だとわかるかたちで存在しているのではないか。
杉下や安藤についていけば、過去の自分が「かわいそうな子」であった事実を受け入れることができるだろうか。そのうえで新しく、現実世界の中で本物の愛を見つけることができるだろうか。
広い世界という場所に、安藤が旅立ち、杉下が旅立ち、その後に自分も続けるのではないだろうか。そのとき、戻れる場所がここであったらいい。
台風の夜から二年間かけて至った思いは、たった一日、奈緒子に出会っただけで一気に打ち砕かれた。
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