2009/06/02

デッドエンドの思い出

デッドエンドとは、行き止まりのこと。転じて先、将来の展望が見えないこと。
デッドエンドの思い出 (文春文庫)デッドエンドの思い出 (文春文庫)
(2006/07)
よしもと ばなな

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短編集。5つ。
こうやって続けて読んで、よしもとばななは、こういうことをするのね、と、
人が“癒し”というのも納得、と思った。
つまるところ、話は、全部同じ
(女がいて。その女かまたは出会う男とか身近に感じるもう一人の人は、当然のように幼少期など特異な経験をしていたり、本人が気づいていないところでとても傷ついていたりする。
 そして女は、死に掛けたり、婚約破棄されたり、身近な人を失ったりする誰にでも起こり得るけど特別な体験をきっかけに、体調や視界や感覚が変わる。よくなったりわるくなったり。でも結局よくなる。求めているものは、自分のみる夢や行動にある。または誰かと話していて、気づいてゆく。答えは自分がもっているんだ。)
ことなのに、設定や小さな展開があっと驚くもので、それがわたしがまんまと感じてしまう恐怖です。

例えば、
「おかあさーん!」では、
ごはんの中の黒米に足がはえていたのだ。

「デッドエンドの思い出」では、
「お金を、貸したままなの。」

というところ。
電車で読んでいて、わ、ってなる。びっくりする。怖い怖い怖い、ってなって、よしもとばななやるなぁと思う。

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