2013/11/29

新聞

うちの会社は、朝日新聞が好きだ。
表記の統一は「朝日新聞の用語の手引き」に従っている。
わたしも入社してから、何だかよく「テレビ朝日」を見るようになって、
アサヒビールもいいかななんて思っていて、「アサヒ」というもの全般好きになってしまって。

そんななかで、朝日に落ちた一橋大新卒の新人が我が部署に入ってきたのは、偶然にしては素晴らしい調和だと思う。
朝日新聞を読み、朝日新聞が好きで、新聞が好き、報道にかかわりたいと、うちの新聞社に入ってきた。仕事がよくできる。こちらが毎日「すごいな」と驚くほど。

わたしも朝日新聞に敬意を持っている。
築地にあるおかげで、何度か朝日新聞の講座に参加した。

震災から数か月たって開かれた、震災と報道についての講座では、
「わたしたちは、阪神淡路でもそうだし今回もそうだけど、記者の世代が変わっても何代にもわたって書き続けることになる。被災地に行き、書き続けていく」と言っていた。
そして「報道の精神は貫く」と堂々と話していた。
(うちの新聞とは違う。うちはうちでいいと思う。「長いものにはぐるぐる巻きよ!」と上司が何度も言っていた。「スポンサー様の不祥事なので、できるだけ目立たない記事に」と言われて工夫することもある。それでいいと思う。)

28日朝日新聞12面国際は、『日本軍のテントに連行された』『大きな建物 たくさんの小部屋』。慰安婦問題インドネシアの女性問題についての記事だ。
まず職業柄、見出しの付け方を考えて、後者の「大きな建物 たくさんの小部屋」は、すごいなと思った。
記事読めば涙が出て、どす黒いものがおなかに溜まったように重い。自分のいるところが急にぐらつく。
表もある。女性たちの主な証言が端的にまとめられている。たとえば
ミナ/畑の帰りに父親の目の前で連行。1年以上、毎日複数の日本兵に辱められる。誰も避妊せず2回妊娠し、流産した。銃で殴られ右目を失明した。
というように。
記事は「同じことを角度を変えて何度か聞き直しても答えに矛盾はなかった。70年たった今も彼女たちには苦しみ続けていた」で終わる。苦しみ続けている。

震災の記事を書くことが、精神的にきついと話していた記者のことを思い出した。 こうやって事件を追い続ける新聞の存在は大切だと思った。新聞の匿名性の高い文章が、冷静に、詳細に苦悩を伝えている。
http://www.asahi.com/articles/TKY201311270675.html

0 件のコメント:

コメントを投稿