自分の人生を肯定しようという話でしたが、
複雑で、
女性の人生や感情がしっかり伝わってくる小説でした。
この本がたくさんの人に読まれて、いいって言われるということは、
たくさんの人が自分の人生を肯定できないでいるということ?
たくさんの人は、どんなことで躓いているのだろう。
八日目の蝉 (2007/03) 角田 光代 商品詳細を見る |
赤ちゃんのときに誘拐された女の子が大学生になって恋をする。
助けてくれたのは意外な女性。
その人が大きく深呼吸をして、
「私、自分が持っていないものを数えて過ごすのはもういやなの」
と言います。
きいたことのある言葉ですが、
こんなに響いたのは初めてでした。
涙のにじむ話でした。
『三面記事小説』同様、人事とは思えなくて熱心に読みました。
読書感想文。
自分、蝉だったら、八日目になってから見たものは、いいもわるいも必死だったから分からない。
生きているんだもの、すぐ死ぬって分かっていても生きるしかないからーまじふざけないでー、と言う。
誕生日を祝ってくれた。(略)私が話したがらないことは、決して訊かないでいてくれた。私の過去を知らないままでいてくれた。人を好きになるという気持ちを教えてくれた。会いたいという気持ちを教えてくれた。
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