2008/12/14

八日目の蝉が見る景色は



自分の人生を肯定しようという話でしたが、

複雑で、
女性の人生や感情がしっかり伝わってくる小説でした。

この本がたくさんの人に読まれて、いいって言われるということは、

たくさんの人が自分の人生を肯定できないでいるということ?

たくさんの人は、どんなことで躓いているのだろう。

八日目の蝉八日目の蝉
(2007/03)
角田 光代

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赤ちゃんのときに誘拐された女の子が大学生になって恋をする。

助けてくれたのは意外な女性。

その人が大きく深呼吸をして、

「私、自分が持っていないものを数えて過ごすのはもういやなの」

と言います。

きいたことのある言葉ですが、

こんなに響いたのは初めてでした。

涙のにじむ話でした。

三面記事小説』同様、人事とは思えなくて熱心に読みました。

読書感想文。

自分、蝉だったら、八日目になってから見たものは、いいもわるいも必死だったから分からない。

生きているんだもの、すぐ死ぬって分かっていても生きるしかないからーまじふざけないでー、と言う。


誕生日を祝ってくれた。(略)私が話したがらないことは、決して訊かないでいてくれた。私の過去を知らないままでいてくれた。人を好きになるという気持ちを教えてくれた。会いたいという気持ちを教えてくれた。





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