2008/12/20

乳と卵



今年の芥川賞。

ちちとらんと読むらしい。

乳と卵乳と卵
(2008/02/22)
川上 未映子

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強く残ったのは、緑子という女の子は口でしゃべることをやめて、

思ったことも伝えたいことも全部ノートに書いているのだけれど、

本にそれを起こしたときに、それは


○ 卵子というのは卵細胞って名前で呼ぶのがほんとうで、ならばなぜ子、という字がつくのか、っていうのは、精子、という言葉にあわせて子、をつけてるだけなのです。(略)書くということはペンと紙だけあったらどこでもできるしただやし何でも書けるので、これはとてもいい方法。これは記録といいます。いや、という漢字には厭と嫌があって厭、のほうが本当にいやな感じがあるので、厭を練習。厭。厭。緑子


という風になるんだけど、

この最初の○、全角アキ、次の行からは天ツキで流すという形が、いいなーと思った。

それで、来年度からの担当の雑誌には取り入れてみようと。

あとは、「ほんとうで」と「本当に」と、意図してかしないでかバラつきがあるのを見て、

ほかにもそういうのはあって、これは、これくらいの破天荒な文章だと整えようとは思わないのか、

この部分については「ほんとう」は名詞で「本当に」は副詞だから別のものだからいいのか、

全部わざとなのか、校正する人は先生のこだわりだからと最初から気に留めないようにするのか。

小説作品について、編集・校正者は、どんな観点で直すのかなーと、読むたびに考えた。




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