2009/01/29

毎晩、楽しむ言葉



ことば汁ことば汁
(2008/09)
小池 昌代

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小池昌代の最近の短編集。

好きな話は、ザリガニが脱皮して、彼女が寝取られる「女房」という話。

好きでもない話に、「野うさぎ」というのがあるんだけど、

それの、


 夢でわたしは一匹の野うさぎだった。

  (略)

 男のしゃべる言葉をわたしはすべて理解できる。けれどわたしは、言葉をしゃべることはできない。それでただ、一方的に聞くだけなのだが、それがすこしも不満ではない。男は話好きで、一日じゅう、しゃべっている。あること、あらぬこと、ほんとうのこと、嘘のこと、想像したこと、夢のこと。

 わたしは男に、耳の後ろをなでてもらうのが好きだ。そこだけ茶色の毛がはえていない。男の指がじかに触れるので、感じやすいわたしは、とても幸福になれる。


というのがびっくりするぐらいびっくりして、

体の中に蕁麻疹ができるような感動を覚えたのです。

それでこのページにしおりを挟んで何回も読み直しました。




この本も、

あることをきっかけに、世界がぐてんぐてんに壊れていったり、

違う世界に迷い込んで戻れなくなったりするんだけど、

わたしは、今日バッチリアイライナーひいたのに、

病院で佐★さんから電話で「おやすみなさい」って言われて、

家までの坂を幻覚と話しながらのぼって。

ちょっと怖いよ。




ことば汁/小池昌代




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