2009/05/02

哀しい予感その後

なんだろう? なんでありえないのだろう。なにがどこで間違ってしまったのだろう? きっと、私が毛虫の感触を失ったのと同じ道のりで、家族から少しずつなにかが失われてしまったのだ。

体は全部知っている (文春文庫)体は全部知っている (文春文庫)
(2002/12)
吉本 ばなな

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わたしは1冊読めば、1ページにしるしをつける。
ここが好きだってことで。
今回は、しるし移動しちゃった。

吉本ばななはの小説を中学時代、高校時代読んでいた。夢中で読んでいた。
ほかにも小説を読み始めてからは、読まなくなった。
大学に入ってからは、自分で発表しなくてはいけないテキスト以外は極力小説を読まなかった。
それで今吉本ばななを読もうとして、読む気になれなくて、そういやずっとそうだったった。ばななの小説は、怖くて。不気味さがあるし、共感できて感情がゆれるということもある。それが怖いのか、それははっきりわからないけれど、夢中になるのに、怖い。わたしは一度呼んだ本は読まない。でも『哀しい予感』は何度も読んだ。内容思い出すのも怖い。なのに、出版社等の小説レビューは、多くのばなな作品に「やさしく包み込む」とか「あたたかく」とか「癒し」とか書いている。これは不思議。

それで、今回『体は全部知っている』を読んだ。短編集だった。
とてもよかった。吉本ばななは、こんなに分かりやすい小説を書いていたのだっけ?と思った。
そして、タイトルを見たとき、そのタイトルに同感だと思い、読みながらも思った。
御伽噺のように気取った言い回しの連続なのに、生々しい小説だと思った。

妖しいおばさんを筆頭に人は、奇妙なことをもっともに言うことがある。
占いすら信じない自分にもそういうのはある。
ここ最近忌野清志郎の曲ばかりきいていた。
亡くなったというニュースを見たときには、息を止めてしまったけれど、この最期のこと知っていたと感じる。知らなかったけど、好きで、悲しくてしかたなかったけれど、この時に自分が備えていたかのように感じてる。どんな人だったのかな。

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